ナマモノ部ときどき波乱万丈(2)私たちは増殖していく

<(1)からの続き・・・>

 5月、夏も近づく頃の放課後、私瑠璃カケス、そして7名はいたナマモノ部員が高校の裏手にある小川で、とある生物の採取に躍起になっていた。

c0004895_17524079.jpg

 プラナリア(ウズムシ)である。
 プラナリアはすごい。その再生能力には、本当に驚く。どれだけタテに横に刃物を入れても、復活する(切れた尻尾や頭が生えてくる)。
 目がマンガの登場人物のようにコミカルである。全体の形がチンコにしか見えない。
 綺麗な水辺に生息するらしいのだが、実際学校裏で見つかるとは思いだにしなかった。採取したプラナリアはシャーレに入れて保温庫で飼うことにした。



 遡って4月。
 ナカイ先輩も卒業して、進級した2年生2人だけのナマモノ部に、幽霊部員・瑠璃カケスはまた戻ってきた。
 「今度はウタゴエ部に行くのが面倒になってきた」「私立文系に受験を絞ったため、生物はただの履修科目となってストレスフリーになった」という理由はあった。ただし顧問のジータ先生は、3年も担任だった。私は好かれていたのか危険で目が離せなかったのか。

 そして、部員が増えた。私が同級生を3人勧誘した。勧誘もしていないのに全く知らない同級生の女子が2人入部した。2年生部員も1人新規で入部した。これで、3年生6人、2年生3人(男4人女5人)の、少数ながら「部活動」と言える集団が出来上がった。
 これには、元々の古参部員だった2年生の顔色が大きく変化した。瑠璃カケスが入った当初は全く話しかけてこなかったのに、部員が増えたら急にフレンドリーになってきた。
 また、ナマモノ部の副顧問だったハヤノ先生(助手)が産休から戻ってきて、我々の面倒を見てくれることになった(ジータ先生はもともと居るだけだった)。プラナリアを採りにいくのを勧めたのもハヤノ先生だった。

 全員の部活参加率は、相変わらずよくはなかったものの、私と同級生のシミちゃん、2年生のクワヤマさんは大抵生物室に入り浸るようになっていた。プラナリアの生育日誌をつける以外はたいした活動はしていなかったが、受験本番の手前、ほんの少しゆったりとした時間を、私たちは生物室で過ごしていた。(次回ラスト)
[PR]
by lidth-s-jay | 2012-05-20 17:36 | クラブ活動