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パックス・ポスペターナ(4)ポストペットチャットの浮世離れ後編

(ラストは冗長です、御注意下さい。まずは過去ログからどうぞ)



 ある日、「事件」がおきた。すでにチャット「しめじの部屋」が常連の溜まり場と化していた時、常連のリーダー的存在だった住人の個人HP掲示板に、彼宛に送られたメールが掲載されていた。内容は「オープンスペースの場であるポスペチャットの部屋で、常連の内輪にしか分からないような会話を繰り広げるようになっているのはやめてもらいたい」というもの。常連の中枢にいた者、私も含め反論を書き込んだのだが、より重要な問題は常連云々ではなくメールを本人の事前許可なく公開した点にあった。常連の定義からいわゆるネチケットまで様々な論争が繰り広げられ、チャット表舞台にまで火がまわり、荒れに荒れた。
 
 そして常連内においても意見のひずみが表れ、ゆるやかに瓦解しはじめた時、先述の「リーダー」が突然、出奔する。チャット上だったか複数宛メールだったか覚えていないが「チャット辞めます」と言ってネット上から消えた。それまでの騒動を大きくした主犯ではあるものの、いわゆる「おはつ」にも積極的に話しかけて仲間に誘い、気配りのある男であった。放っておけという意見は少数で、多くの常連は疑問と悲しみをポスペメールに託した。
 ところが、数日後の朝、彼は掲示板上で普通に戻ってきた。HNの頭文字を変えてやってきたのだ。この時点での反応は「おめでとう!」「よかった!」「心配してたんだぞ!!」の投稿が目立ったが、正直「なんだそりゃ」というあっけなさも大きく、これを境に彼は節操のない道化師と解釈され、それまでの「常連」は分裂した。そのまま残る者、別のチャット部屋にいく者、メールに専心する者、さらにホームページ作成に着手運営して一国一城の主となった者・・・私がポスペチャットに嵌っていたのは、わずか半年余りであった。

・・・それから1年はペットメールでのやりとりに戻った。とはいっても、チャットで燃焼してしまったポスペ魂はどこへやら。確かに自作おやつで遊んだり、細々と中身濃くはやっていたが、結局ポスペはメールよりもチャットのためだけだった。
 ポスペキャラたちは、2000年に角川書店の夏文庫キャラに採用され、再燃するかと思ったが、同時に会社でのメールやり取りの機会も増えており、メインのメーラーは既にOutlookExpressに移りつつあり、ポスペ自体は忘れた頃に使う程度になった。
 
 そしていつのまにか3Dで動く「PostPetV3」なるものが出るころには、ああやれやれ・・・と思いつつ、完全にポスペからは離れた。今ではポスペソフト、キャラクターグッズなど、家には何も残っていない。

 ポストペットの浮かれ具合、パックス・ポスペターナとは一体なんだったんだろう・・・現在も親元のSo-netは、コンテンツの肥大化に迷走を続けている。夢見るプロバイダ、So-net。その夢から目覚める時の虚しさを、いつまでユーザーに与えていくのだろう。憂慮に堪えない。
by lidth-s-jay | 2005-02-03 17:28 | 流行