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 アイドルに夢中になる子供は、昔もいた。
 今のアイドル好きな人の程度がどれほどかよく分からないが、たとえばコンサートに行くとかグッズを集めるとかは今昔同じなのだろうか。現在のアイドルトレンドを書くにはモノを知らなさ過ぎるが、昔のことなら少しは思い出せる。
 1984年(昭和59年)春の話をしよう。

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 この時期は、ちょうどトップアイドルの転換期で、特に男性アイドルとして人気赤丸急上昇していたのは「チェッカーズ」だった。藤井フミヤとその他大勢がちっちゃな頃から悪がきで15で不良と呼ばれたよとか歌う、あのチェッカーズである。それまでのたのきん、シブガキ隊の人気との比較は難しいものの感触としては相当熱狂的だった。
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 そして、このころ学校では、カンペンケース(金属製の筆箱)に貼り付けるステッカーが流行っていた。そのステッカーは、彼らの写真であるならともかく、「チェッカーズ命」とか「フミヤ命」などと、文字が書かれているだけのものも随分あった(のに結構売れまくっていた)。ステッカーに隠れてしまったスヌーピーやバイキンくんが哀れである。
 学校指定の文具購買店では、ステッカーを買い漁る子が絶えなかった。

 しかし、女子があまりにもチェッカーズかっこいいとか黄色い声で熱を上げてるのは、男子としても面白くなかった。
 ある日、氾濫するステッカーのデコ筆箱に目をつけて、男子が学級会で「あれは学校に不必要なものだ」という規制の動議を提出した。
 女子は当然「そのぐらいいいじゃない」と反発したが、学校という場所ゆえ、言い分としてはやっかみ男子側が優勢だった。私瑠璃カケスも「あんなもの、何の栄養にもならない(同じ30円で麦チョコ買ったほうがマシ)」という詭弁すら堂々と言ってのけた。
 結局、「学校に持ってくるカンペンへのステッカー貼りは禁止」という判断で決着した。
 もっともこれは我が組だけの判断なので、他の組は規制などなかったかもしれない(往々にしてそういうことがある。ゲームウォッチの持ち込みも、クラスによってまちまちだったことがあった)。

 なお、これはステッカーだけの話で、下敷きなど他の文具に対しては規制はされなかった。ステッカーほどの無駄度が低かったからである。
 しかし男子はそれまた面白くなく、チェッカーズグッズを持った女子を見つけては冷やかしを続けていた。自分たちの野暮ったさを棚に上げて冷やかしたところで結局自分たちの価値を下けるだけなのに、男たちは一体何がしたかったのだろう。

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 チェッカーズは我々の小学校高学年時代、84年~85年が一番の人気絶頂期だったと思う。92年のNHK紅白歌合戦で解散したが、親衛隊のキンキン声は全く変わっていなかった。

・・・という時代から数十年経過して、なんとあの藤井フミヤさんも今年(2012年)で50歳になるらしく、つい最近、写真を見たら、
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なんというか藤井フミヤというより藤子不二雄Aという感じだった(富永一朗も入ってる)。
 これをかつてのフミヤ命な女子が見たら卒倒するだろうなあ。
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by lidth-s-jay | 2012-06-05 19:35 | 流行