図書館回顧~教養と芸術とエロスの狭間で

 学校の図書室(以下、図書館)にもいろいろ思い出があるが、そのうち借りた本の話をしたいと思う。


 高校に入ってまだ数ヶ月経過した位でも、結構図書館は利用していた。小学校の図書館と広さは変わらなかったが、棚の構成としては、絵本を含めた文学よりも、より実学的な本の比重が大きかった。専門書ではなく、中公新書とかブルーバックス、岩波ブックレットなど、わりと入りやすい教養モノが目立っていた。

 その中に、平凡社か新潮社のカラー図説モノで、フランス革命についての本があった。
 まだ授業で世界史は受けておらず、せいぜい現代社会で人権の歴史をやっていた頃かもしれないが、どうしてこの本を手に取ったのかは覚えていない。しかし、偶然ながらその中身の過激な内容に驚いた。
 そこには、革命前の王族貴族の連中が放蕩に明け暮れる絵画が掲載されていた。日本の春画みたいなグロテスクなものではなく、下手に品があって、しかし「これ絶対入ってるよね!!」という絵が並んでいた。もっともその辺は最初の章に数ページ載っていただけだが、一応芸術品だし変に黒塗りもできないしで、アレとかソレとかが堂々と出ていた。モロだし。
 一方高校生になったのに、相変わらず手持ちのエロ本はわずかで(みんな中途半端)刺激を求めていた僕には、このフランス革命の本がまさかの「オカズ度」の高い本だった。
 しかも、裏表紙に挟まれている「図書貸出カード」を見ると、貸出履歴の中に、同じクラスの女子の名前があるではないか。「これは・・・あの子もこの絵をみたのかなハァハァ」・・・まあ正直言って同じクラスとはいえ良く知らない子だったのでその辺が残念だったが、プラスアルファ効果は間違いなかった。
 
 ところが、これだけ盛り上げておいて何だが、その後僕がそのフランス革命の本を借りた覚えが、ないのだ。借りたかもしれないし、そうでもないような気がするし。躊躇したのは「俺様がこれを借りると、次に見たやつが『うわっこいつ借りてるよ!!』って思われたらどうしよう」という気持ちがあったのは、事実。
 今さら何を言うか、と思われるだろうが、今思い出した、この本はもともと僕が見つけたのではなく、他の男連中が「これ見てみろよ、すっげえヤラシイ絵がある」と教えてくれたのだ。
 そうなのだ、結局みんな発想が同じだから、そこから一抜けして借りてに持ち帰ることは、そんな簡単なことではなかったのだ。全く説明になっていないのかもしかして。
 

 その後3年間、僕は引き続き図書館でエロ探しを・・・するわけもなく、普通に本を探し、棚から本を抜き、借りていった。
 あの情熱は、今も消えたわけじゃないとはいっても、借りるか否かなどと苦悩する時代は、きっと来ないだろう。こんな些細なことでも、ちょっと衰えを感じずにはいられないのだ。
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by lidth-s-jay | 2011-07-02 23:25 | 男子・女子