2012年 10月 06日
恋とはどんなものかしら
恋わずらい。そうなったとしても腹は減るし、男ならエロ本とかグラビアを見てたらパンツも脱ぐしで、その辺は理性と欲求の棲み分けはできているようだが、それでも、好きな子のことを考えると夢心地になっていたのは、間違いない。
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瑠璃カケスも何度か恋わずらいを経験したが、特に高校のときだろうか、自分でも気持ち悪いぐらいに、女の子が好きで好きでたまらない時期があった(しかし性欲とは全く別だった。我ながらピュアなものである)。
夜、布団にかぶっていても女の子のことで頭がいっぱいになる。そうなると、いわゆる躁状態となり、猪突猛進あるのみ、つまり「明日の朝告白するぞ!!」と決め込んでしまう。脳内ウオーミングアップ。そしてストレート3球勝負を挑む気力万全。寝る前なのに。
これで夜も眠れないか、というと、多少寝つきが悪いこともあったものの、程なく夢の中へ落ちていった。
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朝。身体を起こしてふと考える。「あれっ 告白とか思ってたけど・・・」
急激にテンションが低下しているのが分かる。あんなに告白するぞ、告白するぞ、午前8時に階段踊り場で告白するぞ、と息巻いていた夜が嘘のように。面倒だし、まあいいか。
そして、1日が始まる。
しばらくは、夜興奮、寝て、朝振り出し、の繰り返しが続いた。多重人格とか、我ながら病気かと思うぐらいの変わりようだった。厚生省には恋わずらいを疾患の一種として認定してもらいたかった。
あと、夜気持ちが高ぶってるなら、夜のうちにその子に電話して伝えることができたかもしれない。もっとも現在のメールほど手軽ではなく、結局躊躇した。メールだったら多分直感的に何回か告白して、そのたび落ち込んでるだろうなあ。
結果、高校生のうちはどの女の子にも気持ちを伝えることもなく終わった。当然ながら気持ちを伝えられることもなかった。がっくり。
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あれから20年が経ち、寝る時に考えて幸せになるのは「近々食べたいもの」である。
ああカツ丼もたまにはいいなあ、なんて。
今じゃあ色気より食い気なのかね、とちょっと寂しくなりながら、この頃もやはり、夢の中に落ちていくのである。
by lidth-s-jay
| 2012-10-06 08:39
| 男子・女子